年末年始の休暇を利用し、大阪から徳島に日帰り旅行に行きました。
目的地は、大塚国際美術館です。
2018年大晦日の紅白歌合戦で、米津玄師が歌っていた場所ですね。
以前から大塚国際美術館の存在は知っていたのですが、なかなか行く機会がありませんでした。
紅白歌合戦を見て、せっかくなので大塚国際美術館に行こうと思ったわけです。
今回は、大塚国際美術館について、ご紹介したいと思います。
大塚国際美術館の概要
大塚国際美術館ってどんなところ?

大塚国際美術館は、ポカリスエットなどで有名な大塚製薬グループが1998年に開業した、陶器で名画を再現したレプリカを展示する美術館です。
大塚製薬は現在は東京の神田に本社がありますが、徳島県鳴門市が創業の地です。
鳴門海峡の白砂を使って、新たに陶業を始めたところ、オイルショックで景気が後退。
タイルの受注が難しくなったものの、その技術を活かして陶板に絵を描いて、美術品を製作することにしました。
そして、大塚グループ創業75周年に、開業当時は日本最大の美術館としてオープンさせました。
現在は、2007年にオープンした東京六本木の新国立美術館が日本最大の美術館ですが、今でも国内第2位の規模を誇ります。
大塚国際美術館はどこにある?

大塚国際美術館は、渦潮で有名な徳島県鳴門市にあります。
その渦潮が見られる鳴門海峡そばに建っています。
先述の通り、鳴門市は大塚製薬創業の地であり、また鳴門の白砂を使っての陶板美術ですので、この場所しかなかったのだと思います。
入館料金は?

大人の当日入館料は、3,240円。
日本一入館料が高い美術館らしいです。
私は当日、現地でこの値段を知って驚いてしまいました。
全部レプリカなのに、この値段?と思わなくはないですが、実際に展示を見てみると、それだけの価値があると感じました。
なお、オンラインチケットを事前購入しておくと、3,100円で入れるようです!(コンビニや前売券取扱所でも、同額で購入可能です。詳細は公式サイトへ。)
大塚国際美術館にはどうやって行く?

大塚国際美術館へは、公共交通機関を使う場合、おもに3つのルートがあります。
1.関西-徳島の高速バスに乗車し、「高速鳴門」で下車する方法
関西方面から大塚国際美術館へ行くには、このルートがメインルートだと思います。
「高速鳴門」バス停から、ローカルの路線バスに乗り換える必要があります。
ローカルの路線バス(徳島バス)の「小鳴門橋」バス停も、「高速鳴門」からすぐなので、乗換は便利です。
ただし、ローカルバスは本数が多くないので、事前に時刻表を確認した方がいいと思います。
2.JR鳴門線鳴門駅から路線バスを使う方法
JR鳴門駅でバスに乗り換える方法です。
徳島方面から移動する場合は、こちらが一番早いです。
しかし、JR鳴門線・路線バス、どちらも本数が少ないので、列車到着の数分前にバスが出発し、1時間待ちとなることもあります。
3.JR徳島駅・徳島空港から路線バスを使う方法
徳島駅・徳島空港から路線バスを利用する方法です。
このルートは時間がかかることが難点です。
所要時間は1時間半かかります。
大塚国際美術館に実際に入ってみました
最初の展示・システィーナ・ホールに驚かされる

入場して最初に見る展示は、ローマのバチカン宮殿の中にある、システィーナ礼拝堂を完全再現したシスティーナ・ホールです。
天井の高さ16m、800㎡もの天上画が完全再現されています。
……ということは、システィーナ礼拝堂の空間がそのまま再現されているということですね。
システィーナ礼拝堂といえば、観光客が一目見るために、列をなして並んでるのをテレビで見たことがありますが、「こんなに簡単に見られていいの?!」と思ってしまいます。

また、ミケランジェロの最高傑作とされている「最後の審判」もシスティーナ礼拝堂にあり、こちらもちゃんと再現されています。
本物のシスティーナ礼拝堂では、教皇選出であるコンクラーベが行われますが、こちらのシスティーナ・ホールでは、様々なイベントが催されるようで、将棋の王将戦や歌舞伎の公演もされることがあるのだとか。
2019年に紅白歌合戦で米津玄師が歌っていた場所はこの場所ですね。
パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂ポンペイの「秘儀の間」
空間ごと再現された展示物は、このシスティーナ礼拝堂だけではなく、ほかの聖堂なども再現されていました。
見たことある有名な絵がどんどん出てくる
「あ!これ、美術の教科書で見たことあるやつだ!」と、進研ゼミの漫画にありがちなセリフが頻繁に出るくらいに、有名な絵画(のレプリカ)がたくさん展示されています。
ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」
ジャン=フランソワ・ミレー 「落穂拾い」
レオナルド・ダ・ヴィンチ 「モナ・リザ」
レンブラント・ファン・レイン 「夜警」
あくまで、ここに出したのは一例。
展示されている絵画は1,000点を超えるとのことです。
絵を見続けていると、だんだん疲れも……

国大最大規模の美術館です。絵画が1,000点もあると、見るだけで大変です。
展示ルートの順路に沿って見学すると、地下3階から地上2階までの隅々まで行き来し、合計4kmにも及ぶということで、歩くだけでも大変な距離ですから、やはり疲れも出てきます。
あんまり気合を入れて見ていくより、気になるところを重点的に見る方がいいかもしれません。
大塚国際美術館 独特の楽しみ方
美術館の楽しみ方なんて、人それぞれですが、私が感じた大塚国際美術館だからこその楽しみ方ってのはこれかなと思います。
海外に出ずとも、有名な美術品を見られる

先述の通り、有名な絵画がこれでもかと、目の前に現れます。
通常ですと、海外の美術館に赴くか、日本の美術館の特別展に貸し出しされたものを見るしかないわけです。
しかし、ここに来れば、何でも見られちゃうんですね。(でも、レプリカですが)
日本語で解説してくれている

海外旅行で現地の美術館を訪れて、有名な絵画を見られるのはいいんですが、解説を読みたくても、英語でイマイチ何が書かれてるか分からないということもあります。
しかし、ここは日本なので、すべての解説が当然日本語で書かれてます。
解説をじっくり読みながら、絵画を見られるのも、この美術館の良さかなと思います。
比較展示が面白い

本物だと所蔵者の同意を得るなど大変ですが、レプリカだからできる比較展示は大塚国際美術館ならではといえるでしょう。
写真の、「7つのヒマワリ」展は、ゴッホが描いた7つのひまわりを比較できる展示です。

特にこちらの1枚は、1945年に戦災で焼失したものを再現しており、今となってはレプリカだからこそできる展示となっています。
他にも、レオナルド・ダ・ヴィンチの「修復前」と「修復後」を比較出来たりと、こちらもレプリカだからこそできる展示ですね。
まとめ
圧倒的な物量と緻密な再現で圧倒される大塚国際美術館。
実際に現地で展示品を真剣に見ていると、「本物」とは何か? 「本物」である必要性はあるのか?という哲学的な問いも浮かんできます。
そうなると、今度は「本物」を見に行きたくなります。
ここで気になる展示を見つけて、海外に本物を見に行くというのもいいかもしれませんね。
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