元々東海本線の釜山周辺は東海南部線という名前でしたが、東海電鉄線開業時に東海線に改称されています。
また、2013年には、旧・祐一駅(現べクスコ駅)~海雲台駅~機張駅間が移転新設されています。
今回は、旧路線区間の海雲台駅訪問と、新海雲台駅から釜田駅まで東海線長距離列車に乗車しましたので、そちらについてご紹介いたします。
移転前の旧路線について
以前は海雲台市街地と海岸沿いを走っていた
青の点線が、東海南部線の旧線区間。 海雲台周辺の拡大図。
東海線は2016年東海電鉄線開通時に、べクスコ駅(旧・祐一駅)~オシリア駅(新設)間の線路が移設され、山の中を突っ切るように、新線区間を通るようになりました。
今は、山の間をトンネルで一気に抜けますが、以前は海岸線沿いを進み、風光明媚な景色が見られたそうです。
(以前、同区間は乗車しているはずなのですが、友人と乗っていて、会話に夢中だったのか、全く覚えておりません。)
8:15~と9:45~は、海沿いの崖を通っていることが分かります。車窓は綺麗だったでしょうね。
現在、この廃止区間のうち、海沿いの区間はウォーキング道路として開放されているようです。
今回は、時間がなく訪問できませんでした。また機会があるうちに訪問できればと思います。
※外部サイトです。
旧・海雲台駅を訪問してみました
今回は東海南部線の廃止された区間のうち、比較的アクセスしやすい旧・海雲台駅を訪問しました。
東海南部線のこの区間は、市街地を走っており、旧・海雲台駅も街中にありました。
釜山交通公社(釜山地下鉄)2号線の出口を出たすぐ目の前にあります。

地下鉄海雲台駅から地上に出ると、独特な建物が建っていますが、一見すると駅かどうかは分かりません。
看板もなければ何もありません。ただ、なんとなく駅っぽい。
駅舎と思われる建物の横に、通路がありましたので、裏手に回ってみました。
そしたら、ちゃんと駅のホーム跡が残っていました。
なんの前知識もなく訪れましたので、しっかりとホームが残っているのには驚きました。
しかし、線路には草がぼうぼうと生えており、ここにもう列車は来ないと感傷に浸ってしまいます。
廃線直後には、駅舎も確かギャラリーとして有効活用されていたはずですが、今となってはもぬけの殻。
「到着」「出口」といった看板が、ここが駅舎であったことを主張しているだけでした。
独特な、なんとなく駅っぽい? 建物。 建物裏手に回ると、駅のホームが残っていました。
線路を横断する住民の通路が設置されていました。 「到着」「出口」の案内板だけが、駅舎と主張しています。
移転後の新路線について
新海雲台駅は不便な位置?
旧・海雲台駅を見学した後、釜山交通公社2号線に乗り、終点の萇山駅に向かいました。
KORAIL新海雲台駅に行くためですが、近いのかと思ったら、萇山駅から結構距離があり、徒歩で大体20分程度かかりました。
それもそのはず、東海本線の新線区間は市街地を北に避けるように、山の裾をなぞるように通されているからです。
旧・海雲台駅と比べると不便な位置にあると言わざるを得ません。
せっかく電鉄化 (国電化) しても、効果半減ではないのか、と思ってしまうのは私だけでしょうか。

やはり、2013年に開通しただけあって、駅舎は綺麗ですね。
発車案内板を確認すると、10分もしないうちに釜田駅行きのムグンファ号が発車するようです。
先ほど「東海電鉄線」には乗車しましたので、今回はこちらで帰ることにします。
駅舎内部。目の前の改札は東海電鉄線のもの。
長距離列車は、改札横の通路を通ります。電鉄線用改札横の通路を通ると、
長距離列車用ホームへの階段が現れます。
新海雲台駅のホームは、半地下構造の島式2面4線となっています。
内側2線が東海電鉄線ホーム、外側2線が 東海本線 長距離列車ホームです。
電鉄線ホームは高床ホーム、列車用ホームは低床ホームですので、駅のホームには段差がついています。
なかなか日本では見られない、珍しい構造ではないでしょうか。
内側が電鉄線、外側が長距離列車線。 東海電鉄線電車が停車しています。
高床と低床で、ホームに段差ができています。 エレベーターも、電鉄線用と列車用の2基ありました。
RDCムグンファ号で釜田まで

購入した切符は、16時36分発のムグンファ1783号です。
てっきり客車列車が来るかと思っていたのですが、現れたのはRDC (Refurbished Diesel Car=改造型ムグンファ動車) 。
RDCは元々、都市近郊通勤列車(トングンヨルチャ)(※)用として製作されたCDC (Commuter Diesel Car=通勤型ディーゼル動車) でした。
通勤列車といっても、昼間も運転されていました。
意味合いとしては、都市近郊輸送用の普通列車くらいの意味です。
日本でいうと、地方の普通列車です。
CDCは登場5年後くらいに、電化路線の増加や、輸送系統の見直しにより、活躍の場が少なくなりました。
そのため、内装をムグンファ仕様にし、ムグンファ号用車両として現在使用されています。

サボを見ると、「 ムグンファ 慶州経由東大邱→釜田」と書いてますので、東大邱から大邱線・中央本線・東海本線を経て釜田に向かうルートですね。
東大邱からは、京釜本線経由釜田行きもありますので、慶州経由と書いているんでしょうね。

扉の部分は、低床ホームに対応するため、ステップが3段程度あります。
韓国の長距離列車は、どの列車もステップがつきます。
バリアフリーの時代ですが、ホームのかさ上げは考えていないんでしょうかね。
今のところ、電鉄線のみ高床ホームとなっています。
車内についてですが、座席は他のムグンファ号客車と共通していて、2+2のリクライニングシートです。
CDC時代にも乗ったことがありますが、当時はロングシート+ボックスシートだったと記憶しています。
なお、韓国の鉄道はほぼ全車指定席で、自由席はあまりありません。(一部列車にはあり。)
指定席が満席の場合は、立席券が発行され、空いている席に座ることができます。
5分ほど遅れ気味に到着した列車は、すぐに新海雲台駅を発車しました。
次の停車駅は、終点の釜田駅。
先ほど乗車した東海電鉄線で停車していた、べクスコ駅やセンタム駅などは、悠々通過していきます。
私は電鉄線区間で長距離列車に乗るのが好きなのですが、
JR学研都市線を走る、名古屋からの急行かすがに乗っている感覚というか、ちょっとした優越感が味わえるからでしょうか。
(ちなみに、急行かすがは学研都市線は走っていませんでした。例えです。)

結局、釜田駅まで、およそ15分で到着してしまいました。
東海電鉄線ですと、各駅に停車して、新海雲台~釜田間は24分で走ります。
やはり駅を通過していくムグンファ号は速いです。
なお、料金は一般室で W2,600- (日本円で¥260-) でした。
ちなみに、東海電鉄線はW1,600- (日本円で¥160-) です。
新海雲台~釜田間の距離は15.3kmなので、JR中央線新宿駅~武蔵境駅と同じくらいの距離です。
中央特快+快速で乗換込みで17分。運賃は302円です。
韓国の鉄道は安いですね。
コメント